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ETC(電子料金収受システム)とは?
有料道路で一番渋滞する場所は料金所です。
車を停めずに料金所を通過できたら、ドライブはもっと快適になりますよね。
そこで開発されたのがETC!
ETCとはElectronic Toll Collection System(エレクトロニック・トール・コレクション・システム=電子料金収受システム)の意味で、車に取り付けたETC車載器と料金所のアンテナが無線で交信することで、料金の自動支払いを行えるシステムです。
これにより車は料金所をスムーズに通過することができるようになります。
料金は、基本的にクレジットカードを利用した後払いが可能です。

ETCのきっかけ
日本でも以前は高速道路の料金所で慢性的な渋滞に悩んでいました。
そこで海外で導入されていたシステムを見習ってシステムを開発。
1997年3月に小田原厚木道路小田原料金所で業務用の車輛を対象に試験運用が行われ、全国では2001年11月末に導入開始されました。
ETCシステムを利用すると、有料道路の料金所で停止することなく通過できるため、ゴールデンウィークやお盆時期になると当たり前だった「○○インターチェンジ付近での渋滞50km」といった渋滞も大分解消されました。
ETCのメリット
料金所を止まらずに通過できる
料金所でわざわざ現金を取り出す必要がないため、ノンストップでスムーズに料金所を通過することができます。
運転手の煩わしさが解消されますし、渋滞の解消にも役立っています。
また、ストップと発進の回数が減るので無駄なガソリンの消費を防ぐことにもつながります。
天候やハンドル位置に影響されない
雨風が強いと現金を手渡すのも面倒ですが、ETCなら窓を開ける必要すらありません。
また、左ハンドルだと料金所と反対側なので現金を渡しづらいですが、ETCならハンドルが左右どちらでも関係ありません。

ETCの割引制度が利用できる
各道路事業者は通行料金の割引を導入しています。
曜日や時間帯などの制限がありますが、
- 深夜割引
- 休日割引
- 平日朝夕割引
ETC割引制度についてはETC割引制度を利用しよう!をご覧ください。
ETCの導入方法
ETCを導入するにはどうすればいいのでしょうか?
ETCを利用するにはETCカードと、車に取り付けるETC車載機が必要です。
カードと車載器は別々になっていて、ETC車載器が取付された車なら、カード所有者がどの車を運転してもETCゲートを通過できます。
ETCの通信と料金に関する規格は統一されているため、ETCカードと車載器の組み合わせは自由です。
ETCカードの申し込みと車載器の購入、セットアップはそれぞれ以下のように別々に行う必要があります。
- 1.ETCカードの申し込み:クレジットカード会社が発行するETCカードを入手
- 2.車載器の取付け:自動車販売店やカー用品店などで車載器を購入
- 3.セットアップ:登録認可を受けたセットアップ店で車載器に車両情報をインプット
- 4.ETCカードの挿入:入手したETCカードを車載器に挿入
ETC車載器取扱店では上記すべてまとめて対応してくれるところもあります。
また、クレジットカードが不要な場合は、各高速道路会社のETCパーソナルカードを発行することもできます。
車載器を2台以上の車両で共有することはできません。
ETCカードの種類
一口に「ETCカード」と言ってもいくつかの種類があります。
ここからはETCカードの種類をご紹介していきます。
ETC専用カード(分離型)
ETC専用カードとは、クレジットカード会社が発行するETC決済に特化したカードのこと。
「クレジットカードの追加カード」という位置づけなのでETC専用カード単体で発行することはできず、必ずクレジットカードの申込みが必要です。
無料で発行できる場合もありますが、新規発行手数料や年会費が有料なこともあります。
分離型のETCカードはETCの支払いにしか使えないので、お買い物には使えません。
クレジットカード機能付きETCカード(一体型)
クレジットカード機能が付いているので、1枚でETCにもお買い物にも使うことができます 。
ただし、一体型のETCカードを発行しているカード会社は少なく、ほとんどは上記の分離型となります。
ETCパーソナルカード
ETCパーソナルカードとは、クレジットカード契約をしなくてもETCを使える、有料道路の通行料金支払い限定のETCカード。
高速道路会社6社(NEXCO東日本/中日本/西日本、首都高速道路(株)、阪神高速道路(株)、本州四国連絡高速道路(株))が共同して発行しています。
申し込みには保証金(デポジット)の預託が条件で、さらにカード1枚あたり1,257円(税込)の年会費が必要です。
ETCパーソナルカードのデポジットは、月の平均利用額を5,000円単位で切り上げた額の4倍となります。
平均利用月額 | デポジット額 |
---|---|
5,000円 | 20,000円 |
10,000円 | 40,000円 |
15,000円 | 60,000円 |
20,000円 | 80,000円 |
平均利用月額が5,000円以下の場合のデポジット額は20,000円
デポジットはあくまで保証金ですが、別途年会費を支払うためユーザーにとっては負担の大きいETCカードです。
ETCコーポレートカード
NEXCO東日本・中日本・西日本が発行する大口・多頻度割引を利用する者に貸し出しするETCカードです。
法人だけでなく個人利用も可能。
NEXCO各社に申込みを行うと、信用保証や預託金の納付などで貸し出しを受けることができ、1車両に1枚のETCコーポレートカードが発行されまる。
一般のETCカードとの違いは、ETCコーポレートカードと車両の組み合わせが決まっていることで、カードに記載された車以外では利用できない規則となっています。
記載された車両以外で利用した場合には割引が不適用となったりするペナルティを科せられます。
ETC車載器とは?
ETCシステムを利用するために必要な「ETC車載器」とは、ETCレーンに設置されたアンテナと無線を使って料金情報を情報交換するための機材です。
車載器事態に精算(支払い)機能は無いので、必ずETCカードの挿入が必要。
また車載器の取り付けは認可を受けたショップでのセットアップが必要です。
車載器は自動車関連用品の取扱店や家電量販店など以外にも、インターネットショップなどでも購入できるので機能や人気、価格などを比較したうえで購入するのが良いだろう。
機能としては、ETCレーンが近づいた際にやカード抜き忘れ、ETCカードの有効期限を音声案内する機能が付いたものなど、様々な機能があり種類も豊富です。
安いものでは5,000円台から、高いものでも50,000円台ぐらいで購入できます。
またカーナビと一体化した機能性の高い車載器もあるので、新しいカーナビを導入予定の場合は車載器の機能をチェックしましょう。
ETC車載器の種類は3つ
ETC車載器には、大きく分けて3つのタイプがある。使い勝手やデザイン、価格など、ライフスタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
2ピースタイプ
アンテナが一体となった車載器とETCカードの「2ピース」から構成されるタイプです。
取付位置は、車のダッシュボードの上、無線通信の妨げにならないように取り付けます。
比較的安価で取り付けが簡単というメリットがある半面、「ダッシュボードの上で目立つので見た目が悪い」という声や、「カードを抜き忘れると外から丸見えなのでセキュリティ上不安」などの声もあります。
3ピースタイプ
本体とアンテナ、ETCカードの「3ピース」から構成されているタイプです。
ダッシュボードの上に取り付けるのは小型のアンテナだけで、本体は車内であれば自分の使いやすい場所に設置することが可能です。
ナビ連携モデルも多く、音声案内ほかの機能も充実!
ダッシュボード上にはアンテナのみなので見た目がスッキリして、カードが外から見えない位置に本体を設置することで安全面も問題ありません。
ただし2ピースタイプに比べると値段は高めで、「取り付け費用が高い」という声も。
ビルトインタイプ

車内のインテリアとデザインを一体化したタイプです。
アンテナはフロントガラス上部に装着したり、ルームミラーに組み込まれたりします。
本体のほうは、「インパネのポケットにスッキリ」「オーディオ下の小物入れに装着」など、自動車メーカー各社がそれぞれ独自性を競ってます。
またビルトインタイプにも2ピースタイプ、3ピースタイプがあります。
デザインにこだわるならビルトインタイプがおすすめです。
ETC車載器のセットアップは登録店におまかせ
ETC車載器を取り付けたら、最後に必要なのはセットアップです。
セットアップとは取り付ける車両の情報を車載器に登録することを指し、ナンバープレート情報(車検証記載の自動車登録番号および車両番号)が含まれます。
したがって、ナンバープレートを変更する際は再びセットアップしなければいけません。
セットアップは自分でやらない
セットアップはセットアップ店に依頼する必要があります。
ETCは料金収受の情報を無線でやり取りするため、安全面も含め特殊かつ高度なセキュリティ処理が必要となるからです。
そのためセットアップ店は登録制となっており、登録には厳しい審査があります。
現在では全国に約26,000店の登録されたセットアップ店(「ETC SHOP」のステッカーが目印)のみで実施可能で、登録されていない店や個人ではセットアップをすることはできません。
セットアップには2種類の申し込み方法があり、店によって異なるので事前に確認しましょう。
オンラインセットアップ店
ORSEと呼ばれる情報発行元とETC SHOPの間で、セットアップ情報をオンラインで送受信します。
短時間でのセットアップが可能なので、ETCカードを持っていれば申し込みをしたその日からETCが利用可能!
「今すぐETCを利用したい」という方にはこちらがおすすめです。
オフラインセットアップ店
ORSEと呼ばれる情報発行元とETC SHOPの間で、セットアップ情報をFAXや郵送でやり取りします。
オンラインに比べて情報伝達に時間がかかるため、申し込みからETCが利用可能になるんで1週間程度の時間が必要です。
また、セットアップが完了すると「セットアップ証明書」が発行されるので、これをなくさないように保管しなければいけません。
証明書には再セットアップ時やマイレージサービスなどのサービスを申し込む際に必要となる情報を含んでいるため、車検証などと同様に大事に取り扱うことが必要です。
ETCの利用方法
ETC対応のゲートを通る
高速道路の料金所にETCゲート対応のゲートがああります。
ここを通過しないとETCでの決済はできないので、必ず「ETC」と明記されているゲートを通過しよう。
まれに「一般・ETC」と共有ゲートもあり、これはETCで通過可能です。
- ETC専用:ETCのみ
- ETC/一般:ETC・一般車の両方に対応
- 一般:一般車のみ
急な車線変更は危険なので、余裕をもって変更しましょう。
時速20km以下で通過する
開閉バーは無線でのやり取りがあるため、稀に送受信が不具合を起こし開かないこともあります。
そのため、トラブルが起きても事故が起きないように、原則20km以下でゆっくりと通過しましょう。
スピードが早すぎると前方の車に追突するおそれがあります。
開閉バーが開いてから通過する
路側表示機の表示と開閉バーを確認してから通過しましょう。
カードの有効期限が切れていたり、カードを更新しないでいると開閉バーが開かないこともあります。
何らかの事情で開閉バーが開かない場合、無理に突破したり、バックしたりせずに、停車して係員の指示を仰ぎましょう。
ETCレーンが閉鎖されている場合の対処法
高速の料金所でETCレーンがない場合、もしくは存在するが閉鎖など何らかの理由で利用ができない場合、一般レーンを通過することになります。
しかし、そうした場合でもETCカードで料金を支払うことは可能です。
- 入口のETCレーンが閉鎖されている場合:通行券を受け取って高速道路を走行し、出口で通行券とETCカードを係員に渡す
- 出口のETCレーンが閉鎖されている場合:一般レーンを通って係員にETCカードを渡す(通行券は不要)
- 首都高速道路・阪神高速道路の入口のETCレーンが閉鎖されている場合:一般レーンを通って係員にETCカードを渡し、返却後車載器に挿入する
基本的には「一般レーンで係員にETCカードを渡す」と覚えるといいでしょう。