この記事でわかること
クレジットカードの限度額が設定される仕組み
限度額を引き上げる方法
「しまった、今月クレジットカードを使い過ぎた!クレジットカードの限度額いっぱいだ!」
そんな経験をしたことはありませんか?
もはやなくてはならない存在のクレジットカードですが、もちろん好きなだけ使えるわけではありません。
「今の限度額ではちょっと足りない……」
「もう少しだけクレジットの利用枠を広げたい……でもそれって可能?」
こんなふうにお考えの方も多いかと思います。
そもそも利用限度額とはどのように決まっているのでしょうか?
ここではクレジットカードの限度額の仕組みと、利用限度額の引き上げについて見ていきましょう。
目次
利用限度額は個人の審査で決まる
クレジットカードには一度に利用できる上限金額が設定されています。
一般的に「利用限度額」という表現をしますが、クレジットカード会社から与えられる信用の枠という意味で「与信枠」と言われる場合もあります。
利用限度額(与信枠)は信用の範囲で、「これくらいならば返せるであろう」金額を貸してくれるという意味になります。
いわば、クレジットカード会社からの信用度がその金額設定に表れているということ!
信用を担保にしてお金を貸してくれるなんて、考えてみればありがたい制度ですよね。
この利用限度額はカード発行の際に設定されますが、実は審査によって細かく決められるものではありません。
各クレジットカード会社では、利用限度額を一律に設定しているんです。
【クレジットカード申し込み時の利用限度額の例】
申込者 | 専業主婦 | サラリーマン | サラリーマン |
---|---|---|---|
カード種類 | 一般カード | 一般カード | ゴールドカード |
申込条件 | 18歳以上 |
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収入 | 0円 | 年収350万円 | 年収700万円 |
利用限度額 |
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上の表は利用限度額の例ですが、クレジットカードを申し込んだ時点の状況により、このようなベースとなる基本枠内で決定されます。
そのため、クレジットカードを作る際に記入する希望額通りにショッピング枠が設定できるとは限りません。
また、キャッシング枠はショッピング枠の中に含まれるため、さらに利用できる金額は低く設定されます。
利用限度額が低く設定される理由
時には、クレジットカード会社の基本設定よりも利用限度額が低く設定される場合もあります。
審査の結果、個人の信用情報に問題がなければカード会社の基本枠に当てはめられますが、支払い能力に不安要素がある人は利用限度額が下げられてしまいます。
最高100万円の限度枠がつく場合であっても、10万円までしか利用できない人もいます。
クレジットカードはカード会社が支払期日までの間、カード利用者にかわって立て替え払いをしてくれます。
つまり利用限度額が通常よりも低いのは「この人は支払期日になっても10万円までしか返す能力がないだろう」と評価されているのです。
限度額が低く設定されてしまう原因として以下の3つの原因が考えられます。
- キャッシング利用がある
- リボ払いなど多くの支払額が残っている
- 支払いを滞納したことがある
そのため与信調査を確実におこない、損失をなるべく回避しようとしています。
利用限度額が下げられたのは、審査基準すれすれだったということかもしれません。
利用限度額を引き上げる方法
クレジットカードを正しく使い続ける
最初の利用限度額が小さな額でも、毎月クレジットカードを使ってきちんと支払いを続けていれば利用実績が評価されて、利用限度額が上がりやすくなります。
中には30万円だった限度額が、知らないうちに300万円になっていたという人もいるようです。
これは「途上与信」の評価が上がったことによるものです。
クレジットカードの利用記録から、信用度が向上して「この人にはこれくらい立て替えても大丈夫だろう」という判断をされます。
カード会社にもよりますが、100万円までは比較的ハードルが低いといわれています。
延滞などの信用事故がなく、長期のカード利用があれば自動的に信用度も高くなり、利用限度額も上がる仕組みです。
利用限度額を上げたいと思っても、増額するという案内を行わない会社もあるので、一度クレジットカード会社に確認してみるといいでしょう。
クレヒスを育てる
クレジットカードの特集や紹介しているウェブページでたまに目にするのが「クレヒス」という用語です。
これは「クレジットヒストリー」の略語で、クレジットカードを利用してきた個人の履歴のことです。
定期的なカード利用があり、それに対して支払いを滞らせずにいれば“良いクレヒス”となります。
逆に延滞ばかりしていれば悪い履歴が残り、最悪の場合には強制的にカードを解約させられる事態となります。
クレヒスには個人信用情報機関によって共有されるものと、クレジットカード各社が保有するものとがあります。
クレジットカードを作る際の審査では、個人信用情報機関に問い合わせが行なわれます。
個人信用情報機関に保管されている情報は、個人が契約をしているカードの開始年月、直近24ヶ月分の入金状況、過去の信用事故の記録などです。
クレジットカード会社がもっているクレヒスはもっと詳細なもので、利用開始時からの利用状況・支払状態が記録されています。
各カード会社は自社が保有する個人のクレヒスから利用限度額の増額を判断するのです。
毎月ある程度のカード利用を行い、それに対する支払いの遅延・延滞記録がなければ、優良顧客として利用限度額が引き上げられます。
汚点のないきれいなクレヒスがあれば、利用限度額の引き上げを希望しても通りやすくなります。
資産、勤務先などを申告して信用力を上げる
クレジットカードの利用限度増額を申請すると再審査が行われます。
このとき、個人的な信用度がカード作成時より少しでも高ければ、増額の可能性も大きくなります。
「年収アップ」「会社自体が上場した」などの事実があれば、審査通過が有利になります。
また、遺産相続や株式での儲けなどで資産状況に変化があった場合にも、初期与信より高く評価され、利用限度額を大きく引き上げられる可能性があります。
信用の根拠となる資産や勤務先を提示できれば、利用限度額の拡大は難しくありません。
一時的に増枠をすることもできる
海外旅行や結婚式・出産などを控え、クレジットカードの利用がどうしても必要という場合があります。
このときに「高額な買い物をするので、カードの利用可能額を超えてしまうかもしれない・・・」という心配が生じます。
そのようなときには、一時的に利用可能枠を広げるサービスがあります。
再度審査をすることにはなりますが、クレヒスによほどの問題点がなければたいていの場合は利用額を増枠することができます。
この場合も利用可能額の限界はありますが、恒久的な増額よりはかなりハードルが低くなっています。
大手のカード会社ではほぼ同じような設定となっているようですが、ここでは例としてJCBを見てみましょう。
サービスの内容としては、次のように説明されています。
- ショッピング1回払いの利用可能枠を一時的に増額するサービス
- 1万円以上500万円まで、1万円単位で申請可能
- サービス期間中はショッピング1回払いのみで、キャッシングサービスを利用不可
元の利用可能枠が50万円の人がすでに40万円利用している場合、残りの利用可能額は10万円です。
しかし増額申し込み金額が100万円であれば、90万円がプラスされて、トータル100万円の利用枠になる仕組みとなっています。
増額の申し込み分(100万円)がプラスされるわけではないのでご注意ください。
増額申請が裏目に出るケース
利用限度額を上げてもらう際には、再度審査が行われます。
そのときに思わぬ事情が発覚し、逆にクレジットカードの使用停止に陥る場合もあります。
危険な例としては次のような状態が挙げられます。
- クレジットカードの支払日にいつも返済が間に合わない
- 他のカードで強制解約などの事故があった
- リボ払いの返済が多い
- 銀行のカードローン・消費者金融を利用している
- 無職になった
増枠申請をきっかけにクレジットカードが利用できなくなると、増額どころではありませんよね。
利用限度額の増額を考えているのであれば、クレジットカード会社から信頼されるようなカード利用を心掛けましょう。
審査に問題がなければ、一時的な増枠への対処はかなりスピーディーに行われます。
カード会社にもよりますが、最短で30分~1時間程度で増枠が可能です。
ハイステータスカードで利用額を上げる
初年度年会費無料もあるゴールドカード

「利用限度額を上げたい!」と考えたときに、新しいクレジットカードを取得するという方法があります。
一般カードでも現在の枠にプラスされ、利用額が増えるわけですが、どうせならばワンランク上のカードを持つのはいかがでしょうか?
ゴールドカードは昔よりもずっと身近になっており、初年度年会費無料というゴールドカードも多数あります。
一般的なゴールドカードでは、200万円~500万円を限度額としています。
おすすめのゴールドカードや、ゴールドカードの詳細に関してはこちらの記事にも記載していますので、ぜひ参考にしてみてください!
ゴールドカード取得についても、25歳以上の安定した収入のある人であればハードルは高くありません。
利用限度額枠の小さなカードを複数枚持つよりは1枚に集約して利用した方が、ポイントや管理などの面でもメリットがあります。
取得難易度は高いが限度額も比例するプラチナカード
さらなる高額利用を望むのなら、プラチナカードを取得するという方法もあります。
プラチナカードは最低でも300万円の利用限度額が多く、1,000万円クラスも珍しくはありません。
利用限度額が明記されていないクレジットカードまで存在します。
プラチナカードの取得に際しては審査が厳しくなります。
ゴールドカードからのインビテーション(招待)による取得が多く、1年間のカード利用額の実績が一定ラインをクリアしている必要があります。
ただし中には、新規申し込みで手に入るプラチナカードもあります。
- JCBプラチナ:25歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方
- 三井住友カード プラチナ:原則として満30歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方
- MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード:18歳以上で安定した収入のある方
まとめ
その人の限度額は審査次第
増枠には「良好なクレヒスを積む」「増枠を申し込む」のが有効
ハイステータスカードは限度額が高い
収支管理が簡単なので現金をあまり持たずにクレジットカードを活用するという人や、支払いをカードに集約したいという人も多いようです。
支払い能力を超える限度額の増額を求めるのは危険行為ですが「もう少し枠を広げられたら」と考える場合もありますよね。
クレジットカードで最も大切なのは個人の信用です。
無理のない範囲で、利用限度額を広げる方法を試してみてくださいね。