いまだに現金による決済率が半数以上を占める日本は、世界の先進国の中でも珍しい存在です。
一方でクレジットカードの保有率は高く、ひとり当たり平均3.2枚も持っているというからちょっと驚きですよね。
日本人がクレジットカードを使わない理由として「落としたらどうしよう……」「不正利用されたらどうしよう……」といった安全性への不安があるようです。
しかし、クレジットカードを持つのは本当に危険なのでしょうか?
クレジットカードと現金を比較しながら考えてみましょう。
目次
現金よりもクレジットカードが安全な理由
失ったお金は誰も補償してくれない
家に泥棒が入ったり強盗に遭ったりすれば、被害届を出します。
その際、奪われた現金があれば被害調査の申告を行いますが、たとえ犯人がつかまっても全額が戻ってくるという補償はどこにもありません。
犯人がすべてのお金を使い切っていれば、そこで終了です。
保険商品によっては自宅に対する損害保険で金品の盗難も補償してくれる場合もありますが、全額ではないことも・・・。
自分が置き忘れたり落としたりしたお金に関しては、補償がありません。
お金には記名がない
一度失ったお金が戻りにくいのは「そのお金は誰のものか」という所有の目印がないためです。
また銀行口座にあるものならばともかく、財布に入っている現金については本人しか把握できません。
お金には記名がないため、手を離れた瞬間誰のものかわからなくなるというのが現金の大きなデメリットです。
このことから、基本的に一度なくしたお金はあきらめるしかないのが現実といえるでしょう。
クレジットカードは紛失・盗難保険が自動で付帯している
万が一不正利用されても補償してくれる
クレジットカードが安全でないという意識は、日々のニュースなどからの情報で植え付けられたものといえるかもしれません。
確かにクレジットカードには盗難や紛失のほかに、スキミング・情報漏洩によってカード情報が盗まれ、不正利用される恐れがあります。
フィッシングサイトの不気味な仕掛けも、カード情報を盗み取るための手段です。
※情報漏洩やスキミング・フィッシングについては下記の記事をご覧ください。
しかしこうした数々のトラブルに対して、クレジットカードには補償をしてくれる保険が付帯しています。
特に盗難や紛失に対する保険は、どのクレジットカードでも自動付帯が標準です。
クレジットカードが誰かに使われてしまったとしても、補償の条件内であればその請求について持ち主が支払う義務はありません。
不正に利用された全額をカード会社が補償してくれます。
ただし、下記のような場合は補償対象外になりますので注意が必要です。
- 本人の重大な過失による紛失
- カードの裏に署名がない
- 不正利用の際、暗証番号を使われた場合
- 本人の関係者(家族)が利用した場合
- 規約に違反している状況での紛失
利用明細により、身に覚えのない請求があればすぐにカード会社に申告できます。
カード会社でも、いつもと異なる利用の仕方や遠隔地での利用に気づけば、持ち主に確認をとってくれるのです。
クレジットカード紛失前後のサポートがある
クレジットカードの場合、紛失や盗難に気づいて連絡をすると、その後の対処について親身になってサポートしてくれます。
クレジットカードの利用停止手続きをおこない、警察への届出を出せばそれ以上悪用されることもありません。
クレジットカード再発行の手順や、見つかった場合の連絡方法など細かく教えてくれるので、ひとりで悩むことなく落ち着いて行動ができます。
現金では、こうしたサポートをしてくれるところがありません。
クレジットカードを持つということは、カード会社の大切な顧客となるということでもあります。
カードに数々の特典があるのも、顧客へのサービスに他なりません。
トラブル時に連絡できるサポートデスクは24時間対応してくれますので朝まで眠れない夜を過ごすような心配もないでしょう。
補償を受けるための手順
クレジットカードは現金と違って利用できる額が大きいため、「万が一クレジットカードを紛失した際、多額の金額を悪用されてしまうんじゃないか」と不安になるかもしれません。
しかし、クレジットカードには一時的に使用停止にすることができるので、万が一悪用された場合でも使われてしまった金額が戻ってくる補償制度も整っています。
補償を受けるためには条件がありますが、まずは迅速にカード会社に連絡をし、警察に紛失(被害)届けを出しましょう。
クレジットカードの利用停止から警察への紛失(被害)届提出の手順はおおよそ下記の通りです。
1.クレジットカード会社に利用停止の電話をする
まずは一刻も早くクレジットカード会社に電話をして、利用停止の旨を伝えます。
万が一のトラブルが起きることも想定し、カード会社の連絡先をメモなどに残しておくと慌てずに対応することができます。
2.警察に紛失(被害)届を提出する<h/3>
クレジットカードが盗難にあったのか紛失したのか、判断に迷う場合が多いと思います。
明らかに盗まれた証拠がある場合は盗難届を提出しますが、そうでない場合は紛失届を出すことになります。
紛失、もしくは被害届を出すと「届出番号」というものが発行されます。
3.再度クレジットカードに連絡をする
届出番号はカード会社でも控える必要があるため、再度クレジットカード会社に連絡をして届出番号を伝えます。
この届出番号をカード会社に伝えることで「難盗補償」を受けることができます。
その際、新しくクレジットカードを再発行する手続きも進めてもらうとよいでしょう。
なくした現金は戻らない可能性がありますが、クレジットカードであれば上記のような手順を踏めばよりこれまでと変わらずに使い続けることができます。
いざというときのために、カード会社への連絡番号を控えるなど、クレジットカードの利用について理解しておけば、大事に至ることは少なくなるでしょう。
まとめ
クレジットカードの補償について知れば、現金よりもずっと安全性が高いことがわかります。
自分がもっているクレジットカードの保険に関して、まだまだ知らない人は多いようです。
より安心してクレジットカードを使うために、自分の持っているクレジットカードの利用規約を再度確認してみてはいかがでしょうか。